【読書】紙の本の処分、電子書籍移行、書評ブログの更新停止

どうも、chuck です。

趣味の読書について、いくつか書いてみます。

 

 

目標は達成しているけれど

ここ数年、読書に関する目標を毎年立てています。

今年の目標は、「毎月4冊以上読む」と「聴く読書デビューして、毎月1冊以上聴く」です。

上半期が終わろうとしていますが、目標は達成できています。

 

ただ、ここに来ていくつか課題が見えてきました。

それらについて書いていきます。

 

紙の本の処分

読書家にとっての1つのテーマは「紙か電子か」があると思います。

僕は圧倒的に、紙の本が好きです。手触りとか、本棚に収める達成感とか、理由は色々あります。

あと、電子書籍は Amazon だったり楽天だったりに紐付いていて、きちんと所有できていない感じが、なんとも言えない不安感があります…。

 

しかしここにきて、さすがに本が増えてきたな…という感じがしています。

きちんと数えてないですが、300冊以上は家にあるはず…。

 

単純にスペースを取るし、近い将来にまた引っ越すことを考えると、物が多すぎることへの不安があります。

 

というわけで、大切な本以外は、少しずつ処分していこうかな…と思ってます。

メルカリで売ったり、誰かにあげたり?

 

電子書籍移行

では、これからの読書をどうするのか。

すごく今さらですが、電子書籍に移行していきます。ようやく、物理本への執着がなくせそうな気がしています。

 

物理的な本棚に本が増えることはなくなりますが、ブクログの仮想的な本棚が充実していけばそれでいいのかな、と思えてきています。

booklog.jp

 

あと、聴く読書を始めたことも大きい。

これによって、電子コンテンツへの信頼度が増したような気がしています。

 

書評ブログの更新停止

読んだ本の感想を残したくて、2018年に書評ブログを開設しました。

www.everyday-book-reviews.com

 

きちんと更新は続いていて、現在227件の記事があります。

読んだ本に関しては、原則レビューを残せている…はず。

 

この書評ブログですが、更新をやめようと思います。

ブログ記事の執筆に微妙に手間がかかっており、その時間とエネルギーの捻出が難しくなってきたからです。

 

手間がかかっていたのは、ブログ記事内にアフィリエイトリンクを貼っていたのが大きいです。その割に、アフィリエイト収入は乏しく、辞める方向に舵を切りました。

独自ドメインも廃止しようかな…?

 

ただ、本のレビューはきちんと残していきたいと思っていて、ブクログへのレビュー投稿は継続していこうと思っています。

(この、ブクログと書評ブログの両方に同じ文章を投下する作業も、地味に面倒だった…笑

 

 

以上、趣味の読書について、いくつか書いてみました。

【聴く読書・評判】audiobook.jp のサービスは微妙 / 聴き放題プランには加入しなくても良さそう

どうも、chuck です。

読書家としてずっと気になっていた「聴く読書」。2022年、ついに聴く読書デビューしてしまいました。

蔵書数が最も多く、国内サービスである audiobook.jp を選択してみました。また、聴き放題プランにも加入してみました。

audiobook.jp

 

この記事は audiobook.jp のサービスと聴き放題プランのレビューになります。

 

audiobook.jp のサービスは微妙

audiobook.jp のサービスを使い始めて3ヶ月目になりました。これまでに、公式アプリで3冊ほど聴いてみました。

 

聴く読書自体はとても良い体験でした!

本の内容をプロ?の声優さんが読んでくれるので没入感がありますし、ページを捲らなくても展開が進んでいくのはある意味では楽ですね。

散歩中や料理中にも本が読めるのは、時間の使い方としてとても良い気がします。

 

これまではポッドキャストを聴いたりしていましたが、まとまったコンテンツとしての読書も良いですね。

ただ、ぼーっとしていると置いて行かれてしまう、というデメリットもありますが。

 

さて、audiobook.jp のアプリについては正直微妙ですね…。

事前にダウンロードしたはずの本が途切れていることがよくあります…。あと、いわゆる栞というか、「ここまで読んだ」が記録されていないことがあり、以前読んだ箇所から再生されることもありますね。

 

この問題をアプリレビューに書きました。

「途切れているので、一回削除して再ダウンロードしていますが、これが手間です」

と言った内容だったかと思います。

 

それに対して公式アカウントからのリプライが「お手数ですが、一度削除して再ダウンロードしてください」でした。

なんというマニュアル対応…。(答えになっていない)

 

と言うわけで、サポート体制も微妙な気がします。

 

さらに言うと、課金体系も微妙です。

 

一定の種類の本が聴き放題になる、聴き放題プランに加入してみました。

これは最初の数週間は無料。その後、有料プランに自動移行する形式。

 

これがなんと、年額プランしか無いんですね。(月額プランがない)

サービスの微妙さがバレる前に、1年分払わせてやる!みたいな意図をどうしても感じてしまいます。(邪推ですが…

 

聴き放題プランは加入不要

さて、そんな聴き放題プランですが、加入の必要は無かったかなと個人的には思います。

 

というのも、聴き放題対象の書籍が、なんというか、偏りが酷い。

聴き放題ランキングを見てみると、ひろゆき、Daigo、よくわからない自己啓発本、と言ったラインナップ。

申し訳ないですが、質が高いとは言えず。暇つぶしで読むにも微妙なラインナップです。

 

読書の質をキープするためには、読みたい本や気になった本を単品購入するのが良さそうです。運が良ければ、50%OFFになってたりもします。

 

おしまい

というわけで、少し辛口でしたが、audiobook.jp のレビューと聴き放題プランについて書いてきました。

聴く読書自体は良いものなので、諦めずに次は Audible などを試してみようと思います。

【読書】2020年に本好きのゲイが読んで面白かった10冊

どうも、chuck です。

毎年恒例、読書家のゲイである僕が、今年読んで面白かった本を紹介していきます。(※発行年が2020年ではないものも含みます) 

 

1. コロナ後の世界 - ジャレド・ダイアモンド、ほか

コロナ禍という切り口で、6人の知識人が持論を展開します。 

「ライフ・シフト」のリンダ・グラットン 「銃・病原菌・鉄」のジャレド・ダイアモンド 「the four GAFA」のスコット・ギャロウェイ そして経済学者のポール・クルーグマンなど。なんともすごい面子。

 

これからの世界情勢、AIと人工知能、働き方、GAFAの行く末、経済動向など…。たいへん知的好奇心をくすぐるラインナップでした。

すべてのパートは20〜30ページほど。さらっと読めてしまいます。しかし確実にエッセンスが詰まっているのは、さすがその道のエキスパートと言ったところ。

 

もし気になったパートがあれば、彼らの著作を読んで深堀りするのも良いかもしれない。そういう意味では、パンフレット的な1冊でもありました。

無粋な言い方だけど、非常にコスパが良い一冊。幅広い読者におすすめです。 

 

2. 下流の宴 - 林真理子

恥ずかしながら、林真理子を初めて読みました。

 

まず、勧善懲悪ストーリーとして没入できます。それからサクセスストーリーとして読めるし、フェミニズム文学的である。そして貧困を描いてみせ、ある種のメッセージを含む。文句なしの傑作でした。

 

それから、細かいサブストーリー的なものが多いのも個人的には好みの作風。中国人バイトのタマちゃん、ゲイの水谷、図書館で出会った老人。登場人物は多く、それぞれの人生を魅せてくれる。

 

自分の好きな作家だと予測はしていた。けれどまさかここまでとは…。初めて読む作品が「下流の宴」で良かった。 

読書初心者に自信を持っておすすめできる一冊。 

 

3. オタク経済圏創世記 - 中山淳雄

日本のポップカルチャーがたどってきた歴史が述べられます。 

ポップなサブカル本かと思いきや、内容はとても体系的。アニメ・ゲーム・プロレス(?!)がたどってきた歴史を解説し、その可能性と海外への展開について語れられます。

 

筆者の中山淳雄さんは現在、ブシロードの幹部。海外展開のためにカナダに赴任もしていたらしく。なるほど。知識と経験を兼ね備えた語り口には納得感があります。 

日本発のポップカルチャーのパワーを再認識できる一冊です。 

 

4. 総理の影: 菅義偉の正体 - 森功

2020年秋に暫定総理大臣となった菅義偉。その人物について扱う本です。ただし、本書が扱うのは菅義偉本人だけではなく、その辺縁まで話が及びます。

 

例えば、満洲について。菅の父親は満州鉄道の敷設に携わっていた。そして「命からがら」秋田に返ってきた。という過去を持つ。そのように、菅本人のエピソードではないものの、周辺の話が適宜挟み込まれます。

 

その他には、横浜港湾事業、大阪府政、NHK への政治介入、沖縄基地問題、カジノ構想など。菅義偉が関わってきた分野について、かなり詳細に書かれます。なるほど、この出来事の裏にはそのような利権や政局があったのかと。非常に面白く読みました。

 

総括として良書でした。「総理の影」と言う陰謀論めいたタイトルとは裏腹に、インタビューや調査に根ざした非常に具体的な1冊。菅義偉本人がたどってきた道のりがよく分かるのはもちろんのこと、政財的な各分野について新しい学びを得た想いです。 

 

5. 悪人 - 吉田修一

言わずとしれた小説家・吉田修一。彼の小説を読むのは3,4冊目でしょうか。

 

正直、救いのない話です。人間が静かに業を背負う様を描く。それはまるで宗教小説のような、遠藤周作や三浦綾子の作品を彷彿とさせました。

 

前半のミステリーライクな作風とは裏腹に、後半では登場人物の内情が直球で吐露される。犯人は誰か、なんて表層的なものではなく、その心理や感情にのめり込むこと必至。

 

作中でのこのセリフはとても印象的。

「今の世の中、大切な人がおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でもできると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものもなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」

 

なるほど、これが芥川賞・直木賞の選考委員の代表作。少し人物のデフォルメが強すぎる部分はあるものの、強烈な没入感をもって読めました。

夢中になれる読書体験を求める読者におすすめです。 

 

6. 沖縄から貧困がなくならない本当の理由 - 樋口耕太郎

多くの日本人がそうであるように、自分もまた沖縄に対して好印象を持っていました。それは「なんとなく」の好印象で、具体的な知見があったわけではなく、あくまでイメージとしての好印象でした。

 

本書を読むと、沖縄の実像が浮かび上がってきます。「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」が、筆者の経験と分析によって書かれます。

人によっては、目を背けたくなるような話かもしれない。事実、本書で書かれる範囲は沖縄に限定されない。日本全体の問題、日本人の心の問題までに話は波及する。本土の人間も、決して無関係ではなく、地続きの問題を抱えていることが分かります。

 

それでも、沖縄にどっぷりと浸かった筆者の分析は面白く読みました。タブーを恐れず、メスを切り込んでいくような文章。終盤ではやや主観的な部分が多いものの、人の在り方まで論じたのは読み物として面白かった。

 

7. 三体Ⅱ 暗黒森林 - 劉慈欣

SF界隈を超えて、本好きの間でも大変話題になった三体。その続編が出版されました。

上下巻を合わせるとかなりのボリューム。

 

深宇宙に旅立った「星艦地球」のパートはあまりにも傑作。まさしく「冷たい方程式」と「幼年期の終わり」。

 

背筋が冷えるような感覚とともに、読者は「暗黒森林」の意味を知ることとなります。この宇宙の真相が解明されていくさまは、さながら壮大なミステリ小説のよう。

 

総括として大変夢中になって読めました。溢れるような情緒を、SF的な大風呂敷に載せてみせた。SF小説として恐ろしく傑作。

 

それにしてもまだ三部作の2部。3部目がいったいどのように展開するのか、全く想像ができないし、あまりにも楽しみです。

 

8. 相模原障害者殺傷事件 - 朝日新聞取材班

本書が取り扱うのは、2016年に相模原市で起きた殺傷事件。書き手は朝日新聞の記者ら。

 

被告は「楽しそうな人生を送れば、事件は起こさなかった」と語った。

自分が障害者施設で働いたら、どのような想いを持つだろうか。被告と似通った思想が誘発されないとも断定できない。それが差別感情、優生思想の恐ろしいところだと思います。

 

社会学者の最首悟さんは「被告が否定したのは人間の、頼り頼られて生きるという性質」と語る。人間の、頼り頼られて生きるという性質。この言葉に出会えて良かった。この言葉こそ、優生思想的な昨今の事件へのアンサーではないでしょうか。

 

また、裁判について新しい洞察も得られた思い。裁判は量刑を定めるのみにあらず。事件の背景に横たわる、社会的な問題を世の中に問うという、そのような意義もあるのだと。改めて認識しました。

 

9. われはロボット - アイザック・アシモフ

人類の辿った未来をロボット工学の進化という視点から描きます。形式は連作短篇集で、翻訳がごくごく自然。読みにくさはなく、さくさく読み進められます。

 

本書の前半は、良質なSF小説として楽しく読めます。ロボットたちはどれも愛くるしくて、登場する人間もまたハートフルで魅力的。読みながら、ロボットと人間への愛が溢れていることに気づきます。

 

しかし後半に進むにつれて、アシモフの突きつけた課題が迫ってきます。ロボットとマシンが優位となる未来において、人間はどうあるべきか。どう向き合っていくべきなのか。

 

ロボット文学の金字塔であり、SF小説の必読本。すべてのSF好きに、自信を持ってオススメできる傑作です。

 

10. 「Gゼロ」後の世界 - イアン・ブレマー

アメリカのパワーが相対的に弱まっていき、主導者なき時代が到来。筆者のイアン・ブレマーは、そのような状態を「Gゼロ」と表現し、その現状と問題点、そして予想される未来について論じます。

 

自分がこの本を手にとったのが、2020年5月。初版の発行年は2012年。しかし、本書の内容の先見性には驚くばかり。

例えば、Gゼロの世界では、感染症が発生しても情報は秘匿され、世界的な流感となってしまうだろうという見立て。

2020年現在、covid-19が世界的に猛威を振るっています。中国の武漢から広がったとされるこの感染症。中国やWHOの初動には、Gゼロ的な欠陥を見いださずにはいられません。

 

さらに米中の軋轢に関しても、この本が2012年の時点でかなり正確な予測を立てています。

 

また、日本がどう見られているのかを再確認することもできる1冊。

 

文量は250ページほど。決して分厚くは無いものの、読了までに1ヶ月かかりました。それほどに多くの情報量を含み、大変学びの多い一冊でした。

まとめ

まとめです。2020年に読んだ本のうち、面白かった10冊を紹介しました。

例年はもっと小説が多かったように思いますが、2020年はその比率が減った印象。自分の読書傾向が変わってきているのかもしれません。

たくさんの良書に出会えたことに感謝しつつ、2021年にたくさんの良書に出会えることのが今から楽しみです。

 

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2019年版。

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2018年版。

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【読書】本好きのゲイの2020年 読書目標「毎月最低6冊読む」

今週のお題「2020年の抱負」

ブクログ 読書目標より

ブクログ 読書目標より

 

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

このページでは、本好きのゲイである僕が2020年の読書目標について書きます。

 

2020年の読書目標

2020年の読書目標は「毎月6冊を読む」としました。(6冊の理由については後述。

 

ブクログの「目標」としても登録しました!

booklog.jp

 

内訳については、その時々の気分で。

でも、なるべく「必読書」や「話題の本」は消化していきたいと思っています。それによって2019年の読書ライフはたいへん充実したので。

 

あと、去年開設した書評ブログですが、今年も続けていきます。原則として、読んだ本はすべて書評を書くようにしたい。

www.everyday-book-reviews.com

 

2019年の目標ふりかえり

2019年の読書目標は毎月8冊でした。

 

毎月8冊の達成率

目標の達成率はこんな感じ。

f:id:chuck0523:20200104030133p:plain 

上半期は未達が多かったものの、7月以降、完全にペースを掴めた感があります。それでも年換算では未達でした。

 

数値目標を使うことのメリットとデメリット

数値目標について。

  • 達成・未達が分かりやすい
  • 「今月はあとXX冊…!」とゴールが見えて頑張りやすい
  • 8冊をどのように埋めるか考えるのが楽しい

というメリットがあった一方で、

  • ページ数の少ない本を選びがち(本質的ではない)
  • 分厚い本を避けてしまう(本質的ではない)
  • 月末に未達見込みだと焦る

と言ったデメリットもありました。

 

その両方を鑑みて、2020年は「毎月6冊は読む」という下限目標としました。余裕があれば、それ以上読んでもいいですし。

 

数値目標自体は、自分を奮い立たせるために必要だと感じています。今年はその数値を少し緩めました。

毎月8冊だと4日に1冊でしたが、毎月6冊だと5日に1冊。緩まった感があります。

 

noteより お手本にしたい「楽しく生きるための100冊」

note より以下の記事が話題になっていました。

note.com

 

おそらく「必読」と言われるような本が含まれていると思うのですが、全体を通して、自分が読んだのは16冊のみでした。ちょっと少ない…。

とても良いリストだと思うので、2020年の読書に関しては、このリストを参考にさせてもらおうと思います。

 

まとめ: 2020年も読書ライフを楽しみましょう!

まとめです。
 

2020年にいったいどんな本と出会えるのか、今からわくわくしています。そして年末恒例の「今年面白かった本」リストの作成も楽しみです。

 

2020年も読書ライフを楽しんでいきましょう!

 

ちなみに、2019年の「面白かった本」リストはこちら。

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(おまけ)面白い本の選び方

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【まとめ】2019年に読書家のゲイが星5をつけた傑作8選【書評あり】

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

 

読書家のゲイとして、2019年は86冊の本を読みました。この記事では、そんな僕が星5をつけた8冊を紹介します。

86冊の中から8選なので、厳選です。相当面白い本のリストだと思います。

 

なお「2019年に発行された」ではない点にご留意くださいませ。が、なるべく今年発行の比率は高めたつもりです。

 

それでは、どうぞ!

 

綿矢りさ「かわいそうだね」

まず、綿矢りさの「かわいそうだね」。

 

文句なしに傑作。構成、キャラクター、文章力、日常描写、すべてが素晴らしい小説でした。「泣けない強がる女 vs ナチュラルクズ彼氏」という構図がもう最高。

 

劉慈欣「三体」

お次に、劉慈欣の「三体」。

中国発の大ヒットSF小説として話題になりました。ブクログ大賞の「海外小説部門」を受賞したので、おそらく読んだ人は多いはず。 

第7回ブクログ大賞[2019] 海外小説部門受賞作品は劉慈欣『三体』に決定!

 

三体世界のスケールの大きさには圧倒されました。そして中国社会について、SFを通じて触れることができます。3部作とのことで続編が楽しみ。

 

ジョージ・オーウェル「動物農場」

お次に、ジョージ・オーウェルの「動物農場」。

 

ジョージ・オーウェルと言えば、ディストピア小説。ジョージ・オーウェルと言えば「1984」。

しかしこの動物農場も良かった。自分がディストピア小説をオススメするなら、1984よりもまず動物農場かもしれません。

救いのないダークな小説なのですが、本好きとしては一読の価値、大いにありです。

 

稲垣栄洋「生き物の死にざま」

お次に、稲垣栄洋の「生き物の死にざま」。

 

静かな情熱をもって語られる生き物の死にざまに夢中になります。まさしく「限られた命を懸命に生きる姿が胸を打つエッセイ」という内表紙の一文の通り。

書籍としては変化球なのですが、本を通じて世界認識を再構築できるという意味では、読書の醍醐味をしっかりと味わえます。 

 

三浦綾子「氷点」

お次に、三浦綾子の「氷点」。

 

その昔ドラマ化されたようで、タイトルを知っている方は多いのではないでしょうか。自分もその一人。今さらですが読了。

嘘と勘違いが家族と人生を破壊していきます。それでも最後には一点の救いがある。ラストシーンには泣けてしまいます。

舞台と設定はシンプルなのに、筆力が読者を夢中にさせる。不朽の名作です。

 

中村淳彦「東京貧困女子」

お次に、中村淳彦の「東京貧困女子」。

 

貧困状態にある東京の女性への取材を書籍化したものです。

 

冒頭に女子大生が登場します。彼女は大学で部活を続けるために、その資金を稼ぐために風俗で働きます。

自分はその感覚が全く理解できずに驚きました。でも、理解なんてできなくて良い。そういう人たちが現実にいて、そしてすべての人が意に沿わない労働をすることなく、やりたいことが実現できる。

それが社会のあるべき姿なんだと。そんな風に価値観を裏返してくれたノンフィクションです。

 

真藤順丈「宝島」

お次に、真藤順丈の「宝島」。

 

2019年上半期の直木賞受賞作です。構想7年、執筆に3年をかけたという大作です。

 

日本でもアメリカでも無かった頃の戦後の沖縄を描きます。もう二度と訪れることのない、訪れてはいけない、生きることに全力を注がなければいけなかった時代。 それを全身に浴びるような読書体験です。

 

沖縄が辿ってきた歴史や、その過程で不可避的に獲得された度量の広さを鑑みた時、読者は「宝島」というタイトルがいかに秀逸であるか気が付かされます。 

 

テッド・チャン「息吹」

最後に、テッド・チャンの「息吹」。

 

テッド・チャンの2作目のSF短編集となります。1作目は「メッセージ」として映画されましたね。

 

短編集のテーマは様々。タイムトラベル、アンドロイド、文明の興亡、未来予測と自由意志、AIと人工知能、ロボットと子どもの教育、音と宇宙と知的生命体…等々。

SFのそれぞれのジャンルについて、レベルの高い物語が展開されます。

 

それでも、物語の中心は人間なんです。人類なんです。

オバマ前大統領が「人間について理解が深まる」と評していますが、まさしくその通り。

 

この上なく上質なSFを通じて、人間について考えることができる傑作短編集です。

 

まとめ

「読書家のゲイが2019年に星5つをつけた傑作8選」をお送りしました。本選びの参考になれば幸いです。

 

今年もたくさんの面白い本に出会えて、本当に幸せです。来年はどんな素晴らしい本に出会えるのか、今からワクワクしています。

  

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マジメなゲイが2019年に読んだ本

今年読んだすべての本のリストはこちらからどうぞ。

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過去のまとめ 

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書評ブログも宜しくどうぞ

別ブログとして運営している書評ブログより、詳しい書評のリンクを貼ります。良かったらこちらもどうぞ。 

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「東京貧困女子」は書評未記入。後日、リンクを記載します。

【読書】ゲイが語る 面白い本の選び方・探し方・見つけ方

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

僕は読書が趣味でして、月に8冊ほど読みます。また、書評ブログを運営していまして、読んだ本の感想はすべて記録しています。

 

書評ブログはこちら↓↓

www.everyday-book-reviews.com

 

そんな読書家の僕が「本の選び方」について書いてみます。

面白い本をどうやって見つけているのか、どうやって探せば良いのか、読書家の視点で書きます。

 

 

面白い本の選び方 3選

ここからは、面白い本の選び方について3つの方法を紹介していきます。

 

その1. 受賞作を読んでみる

まず誰もがすぐにできることは、受賞作をチェックしてみることでしょう。

受賞するということは、それなりに面白い本であることが担保されているようなものです。

 

僕のオススメは「直木賞」を受賞した書籍。

 

直木賞とは「秀逸な大衆文学」に送られる文学賞です。つまり、誰が読んでも面白い!という本なのです。

 

「蜜蜂と遠雷」「下町ロケット」「何者」など、映像化された作品が多く、非常に親しみやすい物語が多いです。

 

 

 

是非、直木賞受賞作をチェックしてみてください!

 

その2. 本のSNSを活用する

お次に紹介するのが本のSNS。僕が使っているのは「ブクログ」というサービスです。

 

ブクログの真髄はフォロー機能です。お気に入りのユーザーさんをバンバンフォローしていきましょう!

 

まずユーザーさんの本棚を見てみます。本の一覧が自分の好みに近ければ、即フォローですねw 

あるいは、ユーザーさんの書評を見るのもいいです。もし痺れるような書評を書かれる方なら、それもまた即フォロー!w

 

するとですね、タイムラインに次々に面白そうな本が流れてきます。

 

もう、消化するのが追いつかないほど!

 

こちら、僕の本棚です。お気軽にフォローどうぞ。

booklog.jp

 

ちなみに、今読んでいる本がこちら。

こちらはブクログでフォローしている方が、すごく良いレビューを書かれていて、すぐに購入しましたw

 

ぜひ、本のSNS ブクログを活用してみてください!

 

その3. ツイッターでタグ検索する

最後に紹介するのが、ツイッターを利用した方法。

 

ツイッターの強みはハッシュタグですよね。ツイッターには読書に関するハッシュタグがたくさんあるようです。

 

僕が好きなハッシュタグがこちら。#名刺代わりの小説10選。

twitter.com

 

無数の読書家さんが「ベスト10」を紹介されています。もうね、ツイート一覧を見ているだけで読書欲が湧いてきます。

 

ちなみに、僕の10選はこちら。良かったら覗いてやってくださいw

www.everyday-book-reviews.com

 

是非、ツイッターのハッシュタグを利用して面白い本を探してみてください。

 

面白くない本の避け方

おまけです。逆に、面白くない本の避け方を紹介します。

 

僕はあまり書店のオススメを信じていません…w 書店で平積みされている本って、結局は「売りたい本」なので。

 

それと、有名な受賞作で言うと「芥川賞」と「本屋大賞」も信じ切れません。

芥川賞は「ぼんやりとしたよーわからん本」がよく受賞しているイメージですw 

 

例えばこちらの「百年泥」。インド人が泥の中から出てきたりします。ちょっと上級者向けすぎませんか?

 

 

そして本屋大賞も微妙なものが多い…。ちょっと平易すぎると言いますか。

 

何はともあれ、気になった本は一度レビューを見るようにはしています。

ブクログでも楽天でもアマゾンでも。念の為、レビューはチェック。これでだいぶ地雷は避けられます。

 

やはり最後に物を言うのは、一般の読書家の評判です。

 

まとめ: 面白い本を読んで、素敵な読書ライフを!

以上、面白い本の選び方と、面白くない本の避け方を紹介してきました。

 

本を読む以上、せっかくなら面白い本を読みたいですよね。逆に、面白くない本を読んでしまうと読書のペースが鈍ると言いますか、僕はちょっと避けるようにしてます。

 

この記事がお役に立つことを願っています。それでは、素敵な読書ライフを!

 

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【人生】友だちの少ない孤独なゲイがその原因を客観視してみた

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

 

僕は友だちが少なくて比較的孤独だと思うのですがw、その原因を客観的に考えてみました。それから最後に孤独なゲイの是非に触れてみます。

 

 

どれくらい友だちが少ないのか

実際、どれくらい友だちが少ないのか。

 

友だちと呼べるのは5~6人ですね。結構多い?たしかに、もっと友だちが少ない人はいると思います。

ただ、頻繁に会う人は1人もいません。一番頻度の高い人は、月に1度会えば良い方。他の人は、3ヶ月に1度だったり、1年に1度だったり…w

 

少なくとも、当日に誘い合って気軽にファミレスで晩ごはんを食べたり飲みに行ける人はいませんね。ましてや、一緒に海外旅行に行くなんて、、夢のようです。

 

なので、土日に誰とも会わない…ということはよくありますw

どうなんでしょう。世の中の人って、大半はこんなもん?

 

友だちが少ない原因

ここからは僕に友だちが少ない原因について、5点書いていきます。

 

原因.1 基本的に一人が好き

まず何より、基本的に一人が好きなんですよね…。一人の時間がないと、じわじわと充電が減っていく感覚があります。

世の中には「人といて元気になる人」と「一人でいて元気になる人」がいるらしいですよ。

 

趣味に関しても、読書・アクアリウム・銭湯・クロスバイク(自転車)・一人旅・ブログ…など一人で完結する趣味が多いです。

 

原因.2 集団・雑談が苦手

次に、集団行動が苦手なんですよね。これは僕の致命的な欠陥だと思います。

 

以前所属していたサークルで旅行に行くことがあったのですが、もうソワソワしちゃって…。

前日は憂鬱で眠れなくて、当日もすごく疲弊してしまいました。それくらい集団行動が苦手です。(旅行を計画してくださった方にはとても素晴らしい人で、感謝しかないのですが)

 

団体行動としては、せめて3~4人くらいが丁度いいと感じます。(我ながらなんと自分勝手な…w)

 

あと、意味のない雑談も苦手です。友だちと一緒にファミレスでダラダラ…みたいなのは結構苦手です…涙

芸能系のニュースとか、とりわけ興味ないですね。。

 

原因.3 なんだかんだ壁を作ってしまう

たまに「本音で話していない」とか「壁を感じる」と言われます。はい、自覚あります。

意識的に壁というか距離を作っている場合もありますが、そうでない場合にもそう言われるのはショックですね…。

 

これはもう自分の性質ですかね。

ゲイならではの理由もあるんでしょうか。周囲にゲイだとバレないために壁を作る癖ができてしまった…みたいな。

 

以下の記事では、僕がわりかしオープンであることが分かります。

chuck0523.hatenadiary.jp

 

それでもやっぱり10代の頃は、家族に対してはクローゼットだったので。

その性質が抜けきれていないのかもしれません。

 

原因.4 人と過ごしてもあまり面白いと思わなくなってきた

あの、これを言うと軽蔑されてしまう恐れがあるのですが。

人と過ごしていて面白いと感じることが日に日に減っています。その人のせいではなく、僕の感じ方とかマッチングの問題だと思います。

 

もちろん、相手から見て僕もそう見える可能性は充分あると思うのですが。

 

僕の生活はというと、本を読んで書評をブログに書いて、アクアリウムのお世話をして綺麗になった水槽に癒やされて、投資の勉強をして知らないことの多さに圧倒されて…。

 

そんな生活の合間にゲイアプリでリアルしますよね。それで、ちょっとお世辞にも楽しいとは感じなかったりして…。でも相手からは「次はいつ会えますか?」と物凄い熱量のメッセージを連発されたりして…。

 

ゲイアプリを辞めた理由の一つは、出会いへの期待の薄れ…と言った意味もあったかもしれません。

chuck0523.hatenadiary.jp

 

これに関しては、自分の交友範囲とか観測範囲が狭まってきた、ということでもあるのかも。

かなり末期感があるので、何かしらの対応を講じなくては…。

 

原因.5 自分から誘わない

最後に「自分から誘わない」という点について。

遊びに誘うのが苦手…というより、気がついたら数日、数週間が経っていると言った感じでしょうか。

自分から誘う前に、(痺れを切らした?)相手から誘いが来てしまいます。

 

ここまでは、自分の性質的な変えにくい部分について書きました。

しかし自分から誘わないというのは自己の選択。これは正直、直したいと思っています。

 

相手からしたら、誘われないって冷めますよね。友情関係って時間とエネルギーをかけて双方向的に育んでいくものだと思うので、もうちょっと能動的にならなくちゃなぁと反省しています。

 

近日中に「自分から誘う」というトピックでブログ記事を書きます。(書いたらリンクをここに貼ります)

 

まとめ: 孤独なゲイの是非について

ゲイとして友だちが少ない理由について書いてきました。書いてみると、至極当然というか自業自得感があります。

 

一人でも楽しいので「このままでいいか」という気持ちもあります。だって世の中には友だちが少ないと悩んでいる人がたくさんいるのに…!その悩みから脱却できた自分を、ある意味では褒めてあげたいです。

 

でも、孤独であることは確かです

ただ、「もっと友だちが欲しい…!寂しい…!」みたいな孤独ではありません。一人で過ごした日曜日の夜、パソコンを閉じて電気を落として、天井を見つめながら「自分は一人だ」と思うのです。しみじみと噛みしめるように。

 

でも、多かれ少なかれ人生ってずっと孤独だと思うんです。

 

というのは、ネットの人生相談でお馴染みの鴻上尚史さんの本によくまとまっていますw

書評ブログに書いた僕のレビューと共にどうぞ。

www.everyday-book-reviews.com

 

さて、そんな中、僕に付き合ってくれる友人には感謝しかないです。この繋がりは大事にしていかなきゃなと思います。本当に。

 

というわけで、友だちが少ない孤独なゲイがその原因を客観視してみました。

一人でも楽しいって大事だと思います。無理にたくさん友だちを作る必要はない。それでも孤独を引き受ける責任はあります。そしてそれでも付き合ってくれる友人は大事だなと。

 

友だちや孤独って人生の大きなトピックだと思うので、今後もこのブログで書いていこうと思います。 

 

ポッドキャストでも喋っています

ポッドキャストで、自分なりの孤独への対処法を話しました。良かったらこちらも併せてどうぞ。

anchor.fm

 

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【映画】原作厨が「マチネの終わりに」を観てきた感想【ネタバレあり】

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https://www.cinra.net/news/20190522-matinee

 

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

読書と映画の好きな僕が「マチネの終わりに」を観てきたので感想を書きます。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

matinee-movie.jp

 

 

原作「マチネの終わりに」平野啓一郎

「マチネの終わりに」は平野啓一郎による恋愛小説です。文庫本は2019年6月発売。

468ページと少し分厚いですが、大人の恋愛小説と言った感じで、非常に楽しめました。ただ、ちょっと男性視点が強すぎるようには思えましたが…。

 

映画「マチネの終わりに」予告動画

予告動画はこちら。もうね、予告を見るだけで大人の恋愛…って感じでどきどきしますよね…w

www.youtube.com

映画「マチネの終わりに」を観た感想

ここからは映画「マチネの終わりに」を観た感想を書きます。

 

キャスティングどうでした?

まずキャスティングです。概ね悪く無かったのではないでしょうか。

 

主人公の蒔野は天才肌の自信家。福山雅治さんは適任だった思いますw

ヒロインの小峰洋子を演じるのは石田ゆり子さん。原作ではスマートで知的な役柄でしたが、それが少しマイルドになっているように思えました。良くも悪くも映画向きなキャスティングだと思います。

 

それ以外の役についても、強い違和感はなかったです。

二人の恋路を邪魔する三谷を演じた桜井ユキさんも、レコーディング会社の是永を演じた板谷由夏さんも良かったです。古谷一行さんはサル顔感が可愛くてよかったですねw

 

強いて言えば、小峰洋子の母親の役の風吹ジュンさんでしょうか。個人的には、日本エレキテル連合の中野さんにしか見えなかったです…w

 

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https://matinee-movie.jp/

 

演出どうでした?

演出も良かったです。パリやニューヨークの町並みはオシャレでしたね〜。東京の描写も、夜や雨が印象に残り、絵画的で綺麗でした。

 

そしてやはり音楽を扱った映画なので、演奏のシーンがいいですよね。そこは映画の方が分がありますね〜。

演奏シーン以外でも、BGMにクラシックギターが使われていたと記憶しているのですが、それも演出として良かった。

しかも、あのクラシックギターって福山雅治さんが演奏しているんですよね。多才で凄い…。

 

ストーリーどうでした?

ストーリーも原作に忠実。原作が好きな人はきっと楽しめます。

ただ、省略が多かったので分かりにくくなっている部分はあったかもしれません。

 

マネージャの三谷の嫉妬はちょっと突然感があったかも?

あと、蒔野と小峰洋子のキスシーンですが、ジャリーラの寝相が原因で中断します。それが「ドン!」という音でしか表現されないので、映画しか知らない人は分かりにくいような…。隣人に壁ドンされた、みたいなw

 

ただ、予告動画にもある「だから止めに来たんだ」は最高ですよね〜。

婚約者がいる洋子に対して、圧倒的自信のある人間ならではの発言w 言われたいですね〜笑

 

そして余談ですが、エプロン姿の福山雅治がたまらなく最高でした…!w

 

映画と原作の違いについて

ここからは映画と原作の違いについて。

 

洋子のスマートさはどこいった?

キャスティングの項目でも触れましたが、新聞記者である小峰洋子はとてもスマートな人間です。それでいて熱血な部分もあり、元旦那のリチャードに食って掛かります。

リチャードは経済学者なのですが、彼の仕事が結果的に低所得者層への行き過ぎた融資に繋がってしまったのです。そこを洋子は批判します。

 

そういうスマートさに(自分含め)世のバリキャリ女子は熱くなってしまうと思うのですが、映画ではバッサリカットでしたね。

 

三谷のカミングアウトが説明的だった

蒔野がスランプから脱して演奏会が決まったのをキッカケに、三谷は洋子にカミングアウトします。かつて二人の恋路を邪魔をしたのは自分だったと。

 

原作ではうっかりバレる流れでした。

「演奏会に来ないでほしい」と話す三谷の口調が、洋子にとって偽メールの文面と重なって見えたのです。そこで洋子がハッと気づく。というシーンでした。

 

そこ、すごく印象に残っていて好きだったんですけど、改変されてしまいましたね。まぁ、いいのですが。

 

洋子の父ソリッチ 全カット

洋子の父は映画監督のイェルコ・ソリッチです。原作は、ストーリー全編を通じて彼の存在感が漂っています。

そもそもソリッチの「幸福の硬貨」という映画が、蒔野と洋子の繋がりの1つだったと思います。

 

原作では終盤に洋子がソリッチと再会し、彼が妻と幼い洋子を残して失踪した理由を聞かされます。それは愛ゆえの選択だったのですよね。

 

それを受け、洋子は蒔野から聞いた「過去は未来によって変えることができる」という言葉への想いを更に強めるわけです。

 

そんな父のシーンは全カットでした。うーむ、良いシーンだったんだけどなぁ。でも映画にすると詰め込みすぎになっちゃうのかな?

 

ラストシーンが洋子ではなく蒔野視点になっている

物語のラストシーンで蒔野が演奏会に出演します。洋子は密かに観覧。

もう自分のことなんて振り返ってくれなくていい。三谷と幸せでいてほしい。でもせめて最後に蒔野の演奏が観たい。

そういう切なる想いで観覧に来るわけです。洋子視点なんですよね。

 

演奏会の最後に蒔野が映画「幸福の硬貨」より一曲披露します。それは蒔野と洋子とそしてジャリーラにとって非常に思い出深い楽曲。

それを聴いて、洋子は自分の存在に蒔野が気づいていることを確信します。読者としてはもう、一瞬でゾクッと鳥肌が立つような感動を覚えてしまうわけです。

 

でも、映画では蒔野視点でしたね。蒔野が洋子に気づく顔がバッチリ映されます。そしてカメラが観客席を舐めていき、洋子が映るという。

 

僕は洋子視点の方が良かったなぁ…w

 

原作厨として気になったのは、その4点ですかね。

 

総評: 大人な恋愛映画が観たい方は是非

さて、ここまで原作厨による映画レビューを書いてきました。やや省略・改変はあったものの、映画としてはスッキリとまとまっていたと思います。

 

原作を読んだ方にもそうでない方にも、大人な恋愛映画を観たい方にはおすすめの映画です。音楽と風景に癒やされる映画でもありますね〜。

 

ただ、原作にも良さがあるので、是非読んでみることをオススメします! 

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原作厨の映画レビューシリーズ 

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【日記】台風到来、おかげさまで平常運転だったゲイの休日

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どうも、chuck です。台風19号が東京を過ぎ去り、台風一過となりました。

今日は三連休の中日。なんだかんだ、おかげさまでいつもどおりの休日を過ごすことができました。という日記です。

 

台風前日

台風の前夜。

スーパーから食料が無くなっているのは、ショッキングというか、非常事態なのだと実感しました。

headlines.yahoo.co.jp

 

冷静に考えれば台風は一日の出来事。買い溜めする必要性は低いと思うのですが、買い占めの心理?って不思議ですね。

僕はむしろヒマになるだろうと思ったので、お酒を多めに買いました。

 

台風当日

台風の当日。

土曜の午前なので、いつもどおり水槽のメンテナンス。

www.instagram.com 

じわじわとウォーターローン(芝生のような草)が増えてきています。

 

それから、読書。

三浦綾子の氷点を読み切りました。氷点、面白かったです。「人生を狂わす名著50」という本で知ったのですが、こんな本を読まずに過ごしていたなんて…。

 

熱が冷めないうちに、書評ブログにレビューを投稿。

www.everyday-book-reviews.com

 

人生を狂わす名著50のレビューはこちら。

www.everyday-book-reviews.com

  

それから21時頃、首都圏では台風の勢いがピークに。風が強いままとは言え、日付が変わる頃には雨は収まっていましたね。

 

深夜2時、空いているうちにジムに行ってきました。ジムではいつもどおり伊藤洋一の Round Up World Now! (Podcast)を聴きながら筋トレ。

www.radionikkei.jp

  

ジムからの帰り道、濡れた西新宿の町並みがあまりにも綺麗でした。

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台風が過ぎ去ったという安心感が、景色をより美しく見せた気がします。

 

台風翌日

台風の翌日。

昼過ぎから外出。クロスバイクで新宿三丁目まで行ってきました。カフェで読書、そして熱帯魚ショップへ。 

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パウパウアクアガーデン新宿店。

 

レッドシュリンプを買い増ししました。人生で初めての点滴法での水合わせ。 

www.instagram.com

すると、また先輩アクアリスト様からアドバイスが。ありがたい。

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エアレーションも買っておくんだった…。

 

それから、帰宅。ふとベランダから外を見てみると、台風一過の夕焼けがあまりに綺麗でした。

せっかくなので、椅子を出して、ビールを飲みながらボーッと。

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ああ、なんだかとても贅沢な時間を過ごした気分。

 

以上、マジメなゲイの台風前後の過ごし方でした。

 

東京は他の地方に比べると災害が少なく、防災に強い印象は薄いですが、なんだかんだいつもどおりの休日を過ごすことができました。

インドア系のゲイとしては平常運転、、と言った感じですが、それもこれもインフラや防災に携わる人のおかげなのかもなーと思ったりしました。

 

事前の予報ではかなり強力な台風だと聞いてましたが、ひとまず東京では大災害とならず良かったです。皆様は無事でしたでしょうか。

 

 書いている人

chuck0523.hatenadiary.jp

【映画】原作厨が「蜜蜂と遠雷」を観てきた感想【ネタバレあり】

 

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

 

映画「蜜蜂と遠雷」を観てきましたので、その感想です。ちなみ、公開日である10/4(金)の朝イチで観てきましたw

mitsubachi-enrai-movie.jp

 

原作は言わずとしれた恩田陸さん。本作は直木賞と本屋大賞をW受賞し、大変話題になりました。

 

個人的に、恩田陸は好きな方で、今まで8冊の著作を読みました。

 

「蜜蜂と遠雷」は特に好きな方で、映画には並々ならぬ期待を持っていました。
どうか、原作の世界観の良さを活かしてほしい…!

 

そんな読書家であり、原作厨wでもある僕が映画も観てきたのでレビューを書きます。

 

※原作を読んだのは2年前なので、一部記憶が間違っている箇所があるかもしれません。その場合は、コメント等で指摘していただけると幸いです。

 

 

予告


映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

 

あらすじ

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。

養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。

第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

 

キャストについて

まず何より、キャストについて。正直に言うと、満足と不満は半々くらいですかね…w

 

栄伝亜夜: 松岡茉優

一番好きなキャラである栄伝亜夜は松岡茉優さんが演じました。

個人的に松岡茉優は好きな女優です。無垢なところもありつつ、トラウマを抱えるピアニストでもある。そんな栄伝亜夜の役柄によくマッチしていたと思います。

 

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール: 森崎ウィン

次に、マサル。彼もまたコンプレックスを抱いたキャラであります。ハーフとして周りに馴染めなかった過去を持っていたはずですが、映画ではバッサリとカットでしたね…。
また、原作の印象では、もっとゴツい人物を想像していたのですが、演じたのは森崎ウィン。なんかイメージと違う…。それでもこれはこれで良いかも的な良さがありました。

栄伝亜夜とマサルが二人でレストランでカデンツァについて語り合うシーンがとっても微笑ましくて良かったです。

 

風間塵: 鈴鹿央士

次に、風間塵。天才音楽家がコンクールに送り込んだ、天才少年ピアニスト。

キャスティングは最高!こんなにイメージにピッタリの子、どこから見つけてきたの?と言いたくなるくらい。恩田陸さんが書く無垢な少年を、具現化させたかのような役者さん。


しかし、原作ではもっと抜身のナイフのような冴えた音楽を奏でる印象だったのですが、映画ではマイルドになってましたね…。

 

高島明石: 松坂桃李

ちょっとミスマッチだと感じたのが、高島明石のキャスティング…。

コンテスト参加者のうち、高島明石はちょっと異質なのです。音楽を専門に学んでいるわけではなく、プロのピアニストになりたくてギラギラしているわけではなく、あくまで一般の生活者として音楽を演奏するのです。

妻帯者であり、子どももいる。上述のピアニストたちと対比的に描かれるはずなのですが…。

松坂桃李があまりにも若々しく見えて、高島としての良さが出ていなかった…。声と雰囲気は良かったのですが、無理に苦労人を装っている感じがしてw、ちょっと浮いていた気がします。

 

仁科雅美: ブルゾンちえみ

コンテストの撮影者である仁科を演じるのはなんと!ブルゾンちえみ。自然だけどそれでいてキャラが立っていて、悪くなかったと思います。

 

コンクールのクローク役: 片桐はいり

コンクール会場の受付スタッフとして片桐はいりが登場します。(これ、原作とは全く関係ないよね?

この役、本当に要らなかった…w 片桐はいりは好きですが、その分の時間をもっと他のことに使ってほしかった…。

 

好きなシーン

キャスティングには不平不満を言ってしまいましたがw、ここからは好きだったシーンについて。

 

演奏シーン

まず何より、音楽をそのまま楽しめるのは映画の良さですよね。

原作の演奏パートについては、賛否両方の意見があります。好意的な意見としては「音楽を見事に表現している」。好意的ではない意見として「ワンパターンで退屈」。

たしかに、音楽を文章で書くのは非常に難しくて、人を選ぶのも無理ないと思います。

 

しかし映画では映像と音で楽しめます。ありのままの音楽を味わえるのは映画の良さだなぁと再確認

特に本選はどの演奏も堪らなかったです。栄伝亜夜もマサルも風間塵も、それぞれの個性がフルに発揮されているようで、非常に良かったです。

 

デュオ

高島の演奏を聴いた栄伝亜夜は、居ても立っても居られなくなり、ピアノを弾きに行きます。

それにこっそりついてきた風間塵(かわいい)。二人は月光のもとで人知れずデュオ演奏をするのですが、それがなんとも良かったです。

松岡茉優と鈴鹿央士の楽しそうにピアノを弾く演技が堪らんです…。

 

そして、本選を前にして、スランプに陥るマサル。

そこに颯爽と現れてデュオを申し出る栄伝亜夜がまた良かった。デュオを通して、マサルはスランプを脱却します。


風間塵が高島に触発された栄伝亜夜に音楽を伝えて、それがまたマサルに伝播して、コンテスト全体が盛り上がるという構図ですね。

まさしく風間塵は"ギフト"であったわけですが、その響き合いであるデュオのシーンはとても良かったです。

 

栄伝亜夜のトラウマ克服

かつて天才少女と呼ばれた栄伝亜夜は、母親を亡くしたのを契機にピアノが弾けなくなってしまいます。

そのトラウマが克服されていく過程が良かったです。

 

予選で栄伝亜夜が演奏する時、ピアノの表面に栄伝亜夜と母親の二人が写っているあのシーン!
映画ならではの演出ですね!一番好きなシーンです。(でも、この演出は本選に使った方が良かったような…?w

 

エンドロール

地味にエンドロールも好きです。

「蜜蜂と遠雷」の中で一番好きな曲が「イスラメイ」。これ、風間塵が序盤で弾く曲なんですよね。

ピアノの世界では「超絶技巧」なんて形容されるような難しい曲で、それを風間塵が弾くというのがまた、彼の天才性を強調しているようでした。

 

映画の本編では残念ながらカットされましたが、エンドロールで流れてきて感激…!

 

イスラメイ、ハイテンポで聴き心地が最高なので是非聴いてみてください。

 

総評

さて、原作厨の視点からキャスティングや良かったシーンについて書いてきました。

総評としてはなかなか良かったのではないでしょうか。星評価するなら星4つですかね。

省かれたシーンは多かったけど、2時間の枠に収めたにしては、小綺麗にまとまっていて観やすい仕上がりとなっていました。

映画だけではなくクラシック音楽も楽しめてしまうので、そこもオススメですね。

(少しボリュームがあるけどw)もちろん原作もオススメです!

 

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