連休に入る前に社長と話した。
急に「個人面談をしよう」と言われて、会議室へ。とは言え、まあ雑談だった。
最終面接を控えたこのタイミングであの面談。
社長はやはり鋭い。僕の転職をなんとなく感づいているのかな。
それでも、悪い面談ではなかった。
特に印象に残ったのは「人生のステージが変わる瞬間」があるということ。
☆☆
人生には、ステージが変わる瞬間があるらしい。
わかりやすいところで言えば、大学進学や就職だ。
ポイントは「人が変わる」ところらしい。つまり、周りにいる人間が変わる。付き合う人間が変わるのだ。
大学進学や就職は、まあわかりやすい転換期だ。周りにいる人間がガラリと変わってしまう。
難しいのは社会人になってから。なぜなら決められたコースがない。
僕自身、大学を卒業してから半年が経ち、ポカーンとしてしまうことがある。「いったいこの人生はどこに向かってるんだろう」と。
たしかに、なんとなーくの進路はある。結婚して、家を持って、子どもを持って…。
ただ、幸い僕はゲイなのでそういう固定観念にとらわれなくて済む。いや、それでも最近は「同性婚」とか「養子縁組」とか、ゲイバージョンのレールが敷かれつつある。
僕は、結婚するつもりだ。もちろん、女性との偽装結婚ではなく、男性との結婚だ。すごくしたい。誰かと人生をシェアしたいと思う。
でも、まだまだ曖昧だし、その先のことだって分からない。
話がそれたけど、ポイントは「自分で考えて動くしかない」ということだ。
そして、人生が変わる瞬間には、誰かの力が必要らしい。今いるステージから新しいステージへと、誰かに引き上げてもらわなければならない。
そして引き上げるに値する人間になるよう、日頃から努力を積んでおくことだと。それが60歳の社長の話だった。
☆☆
たしかに、この1年でガラリと人生が変わった。
週末に遊ぶ友だちのほとんどが、今年に入ってから仲良くなった人たちだ。付き合う人が変わってしまった。
地元の知り合いの中には、中学・高校から変わっていないような人がいる。
卒業後、仕事に就かずにいる知り合いがいるんだけど、彼は大学時代を引きずっている。
たぶん、彼らはステージがそのままなのかもしれない。そんな風に考えると、納得がいった。
同じステージに留まることは、当事者にとっては案外幸せだったりする。何よりも考えなくていいし。でも、もし留まることに疑問を持ってしまったのなら、それは次のステージに移行するタイミングなのかもしれない。
☆☆
余談。
去年ゲストハウスに住んでいた頃、60歳の住人と口論になった。社長は60歳だから、2人は同い年なのだと、ふと気づいた。
「人生の節目は50歳」
それも面談で社長が言っていたことだ。50歳までは、レールに乗ってさえいればまあ大失敗することはない。でも、そこからが本当の勝負。面白いくらいに、上り調子が続く人と、落ちていく人とに別れるらしい。
60歳になった社長がふと同世代を見渡した時、それは怖いくらいクリアだったのかもしれない。
ゲストハウスのおっさんと社長は、たしかにあまりにも違いすぎる。
僕は来年で25歳になる。50歳を基準にしたら、もうそれまで折り返し地点なんだなと、なんとも言えない気持ちになった。
今の生活が最後のステージなんて絶対に嫌だ。私生活も仕事ももっと楽しめるような、自分らしい人生にしていきたい。
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