どうも、chuck (@chuck_blogger) です。
映画「21世紀の資本」を観てきたのでその感想です。
「21世紀の資本」の原作
この映画には原作があります。経済学者のトマ・ピケティによる著作「21世紀の資本」です。
2013年に原書が発刊され、その後、日本でも流行していたように記憶しています。
僕は残念ながら未読でしたが(高価で分厚いのでw)、もちろん内容は気になっていました。
映画「21世紀の資本」の感想
そんな「21世紀の資本」が映画化されるとのことで。
映画化を知ったのが2020年1月のこと。2ヶ月の間、非常に心待ちにしていました。
映画のトレーラーはこちらです。
そして鑑賞してきた感想ですが、まず想像以上にドキュメンタリー色が強いです。映画のトレーラーからはそれなりのストーリーを期待しましたが。
具体的には、映像資料とインタビュー映像が交互に流れます。
映像資料のパートは、18世紀ヨーロッパの貴族社会から始まります。それから産業革命や世界大戦を経て、現在へ。さながら世界史の授業のようで、興味のない人には大変眠たい映画なのだろうな…w という感想。
それでも、世界史と言いつつも、経済的な側面からの解説が強まっていると感じたので、経済に興味のある方にはオススメ。
インタビュー映像のパートは、様々な学者の解説が流れます。
映画の後半では心理学者が登場。自らの実験結果について解説します。その実験とは、2人の被験者にゲームをさせるというもの。おそらく「人生ゲーム」のようなものですが、キーとなるのはゲーム開始時の所持金の違い。片方のプレーヤーには多くの所持金をもたせます。
すると、所持金の多いプレーヤーは言動や態度が大きくなる傾向にあるようです。また、実力で勝利したと錯覚してしまう。
そこから現代の格差へと話が展開されます。GAFAに代表されるような多国籍企業は、悪びれもせずタックスヘイブンを利用します。
中産階級が細くなり、少数の超富豪と大勢の貧民に分かれている。まるで19世紀のような大格差が再来しつつある。という解説でした。
ここで問題となるのが、あの有名な「r > g」。経済成長率よりも資本収益率の方が高くなるという理論です。
富裕層の資本は益々ハイペースで増加していくだろうという危惧です。
その対策としては、適切に所得を捕捉し、富裕層に納税していこうというもの。
ここで自分に引きつけて考えてみると、最近の自分はすっかり節税に邁進していました。もちろん違法行為はしてませんがw、そこに躊躇は一切ありません。
その背景にあるのは、自分の中に根を張った個人主義でしょうか。国も老後資金準備しときなさいよと認めているようなものですし。自分が生き残るのに必死です。
けれど巨視的に見れば、税と社会保障の重大さも分かります…。格差が広がれば、高等教育を享受できる人間は限定されます。その結果、トランプのような大統領が選ばれたという側面はあると思います。さらに、エリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースがこんなにも注目されるなんて。
最終的には、巡り巡って富裕層までもが割りを食うはずです。
自分のことを富裕層だとはもちろん思っていませんが、ありがたいことに年々収入は上がってきました。節税に腐心するほどの余裕もあります。
そのことには自覚的にならなければと、認識を改めました。身の丈に合った、社会意識を持ちたい。要は、それなりに納税していこうと思ったわけです。
そんな風に、マクロ的な経済の中で、一個人としての自分の選択を省みるような映画でもありました。
それから、映画的な良さとして、BGMの選曲が非常に良かったです。再生リストはこちらですね。
以上、映画「21世紀の資本」を観た感想でした。
ほぼドキュメンタリーのような映画でしたが、個人的には良い映画だったと思います。
このブログを書いている人
良かったらフォロー・購読どうぞ。