【映画】「あの子は貴族」を見たゲイの感想

どうも、chuck です。

映画「あの子は貴族」を見てきましたので、感想を書きます。

anokohakizoku-movie.com

 

原作が気になっていた

この映画は原作が小説です。

ブクログに「読みたい本」として登録してありました。

そんな折に映画化の報せを聴きまして、さっそく観に行ってきました。

 

ゲイブロガーのおさむさんをお誘いして

せっかく観に行くのなら、誰かと共有したい!ということで、ゲイブロガーのおさむさんをお誘いしてしまいました。(おさむさんと会うのは実はこれで2回目だったりします)

turtlewalking.hatenadiary.org

 

一緒に行く相手ですが、友だちや知り合いが良いのではないかと思いました。

内容はシリアスすぎるということは無いのですが、デート向きかと聞かれたら「うーん」と言った感じです。

 

内容について 

2人の女性が主人公です。

一方は東京のお嬢様、もう一方は地方出身の自活系女子。その二人がたまたま一人の男性と関わりを持ち、それをきっかけにして知り合うというストーリー。

 

事前の触れ込みでは、格差(というか東京の階層社会)について描くというものでした。

が、その点はあまりビビッドに描かれず。

 

たしかに、2人の主人公の世界はけっこう違うのだけど、自分はもっと違った視点で見ていた気がします。

 

ゲイ的な感想

ここからはゲイ的な所感も含めて、感想を書いていきます。

 

まず何より、僕は東京がもっと愛しくなりました。

この映画の主な撮影現場は東京の各所。けれどそれらは、自分の行動範囲とはかなり異なる。

 

自分の生活はというと、新宿中心。というか、便利だし好きなのであまり出ることがありません。

 

一方で、映画の中では渋谷の松濤地区が登場したり、その他のビジネスエリアが描かれたり…。(松濤なんて、自分の生涯ではご縁がなさそうな一等地ですw

 

映画の中で、お嬢様主人公の友人がこんなセリフを言います。

 

「東京では、階層の違う人々は出会わないようになってるんだよね」

 

その事実は単純に僕をわくわくさせました。映画を観ることの意義の1つは、自分の世界が広がることだと思います。

 

自分が見ている東京というのは、あくまで1つの顔でしかない。そのことを再認識できたので、むしろ爽やかな読後感が生まれたように思います。

 

東京で頑張れるところまで頑張ろう、まだまだ会ったことのない人がいる、もっともっと新しい世界を見てみよう、みたいな。そんな気持ちですかね。

 

 

それから想うのは、ゲイの経済格差について。

と思いましたが、これは長くなってしまいそうなので、次回の記事にしようと思います。(すみません…)

 

 

まぁ映画としてはいい意味でさっぱりしてたと思います。

それから映像が綺麗ですし、何かしら感情移入ができるというか、揺さぶられる部分があるというか。

強くオススメ!というほどではないですが、良い映画だったと思います。

【映画】トマ・ピケティ原作「21世紀の資本」を観た感想

https://21shihonn.com/wp-content/themes/21shihon/assets/img/main_pc@2x.png

映画『21世紀の資本』公式サイト より

 

どうも、chuck (@chuck_blogger) です。

映画「21世紀の資本」を観てきたのでその感想です。

21shihonn.com

 

「21世紀の資本」の原作

この映画には原作があります。経済学者のトマ・ピケティによる著作「21世紀の資本」です。

2013年に原書が発刊され、その後、日本でも流行していたように記憶しています。

僕は残念ながら未読でしたが(高価で分厚いのでw)、もちろん内容は気になっていました。

 

映画「21世紀の資本」の感想

そんな「21世紀の資本」が映画化されるとのことで。

映画化を知ったのが2020年1月のこと。2ヶ月の間、非常に心待ちにしていました。

 

映画のトレーラーはこちらです。

www.youtube.com

 

そして鑑賞してきた感想ですが、まず想像以上にドキュメンタリー色が強いです。映画のトレーラーからはそれなりのストーリーを期待しましたが。

 

具体的には、映像資料とインタビュー映像が交互に流れます。

 

映像資料のパートは、18世紀ヨーロッパの貴族社会から始まります。それから産業革命や世界大戦を経て、現在へ。さながら世界史の授業のようで、興味のない人には大変眠たい映画なのだろうな…w という感想。

それでも、世界史と言いつつも、経済的な側面からの解説が強まっていると感じたので、経済に興味のある方にはオススメ。

 

インタビュー映像のパートは、様々な学者の解説が流れます。

映画の後半では心理学者が登場。自らの実験結果について解説します。その実験とは、2人の被験者にゲームをさせるというもの。おそらく「人生ゲーム」のようなものですが、キーとなるのはゲーム開始時の所持金の違い。片方のプレーヤーには多くの所持金をもたせます。

すると、所持金の多いプレーヤーは言動や態度が大きくなる傾向にあるようです。また、実力で勝利したと錯覚してしまう。

 

そこから現代の格差へと話が展開されます。GAFAに代表されるような多国籍企業は、悪びれもせずタックスヘイブンを利用します。

中産階級が細くなり、少数の超富豪と大勢の貧民に分かれている。まるで19世紀のような大格差が再来しつつある。という解説でした。

 

ここで問題となるのが、あの有名な「r > g」。経済成長率よりも資本収益率の方が高くなるという理論です。

富裕層の資本は益々ハイペースで増加していくだろうという危惧です。

 

その対策としては、適切に所得を捕捉し、富裕層に納税していこうというもの。

 

ここで自分に引きつけて考えてみると、最近の自分はすっかり節税に邁進していました。もちろん違法行為はしてませんがw、そこに躊躇は一切ありません。

その背景にあるのは、自分の中に根を張った個人主義でしょうか。国も老後資金準備しときなさいよと認めているようなものですし。自分が生き残るのに必死です。

 

けれど巨視的に見れば、税と社会保障の重大さも分かります…。格差が広がれば、高等教育を享受できる人間は限定されます。その結果、トランプのような大統領が選ばれたという側面はあると思います。さらに、エリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースがこんなにも注目されるなんて。

最終的には、巡り巡って富裕層までもが割りを食うはずです。

 

自分のことを富裕層だとはもちろん思っていませんが、ありがたいことに年々収入は上がってきました。節税に腐心するほどの余裕もあります。

そのことには自覚的にならなければと、認識を改めました。身の丈に合った、社会意識を持ちたい。要は、それなりに納税していこうと思ったわけです。

 

そんな風に、マクロ的な経済の中で、一個人としての自分の選択を省みるような映画でもありました。  

 

それから、映画的な良さとして、BGMの選曲が非常に良かったです。再生リストはこちらですね。

www.youtube.com

 

以上、映画「21世紀の資本」を観た感想でした。

ほぼドキュメンタリーのような映画でしたが、個人的には良い映画だったと思います。

 

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【映画】原作厨が「マチネの終わりに」を観てきた感想【ネタバレあり】

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https://www.cinra.net/news/20190522-matinee

 

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

読書と映画の好きな僕が「マチネの終わりに」を観てきたので感想を書きます。ネタバレを含みますので、ご注意ください。

 

matinee-movie.jp

 

 

原作「マチネの終わりに」平野啓一郎

「マチネの終わりに」は平野啓一郎による恋愛小説です。文庫本は2019年6月発売。

468ページと少し分厚いですが、大人の恋愛小説と言った感じで、非常に楽しめました。ただ、ちょっと男性視点が強すぎるようには思えましたが…。

 

映画「マチネの終わりに」予告動画

予告動画はこちら。もうね、予告を見るだけで大人の恋愛…って感じでどきどきしますよね…w

www.youtube.com

映画「マチネの終わりに」を観た感想

ここからは映画「マチネの終わりに」を観た感想を書きます。

 

キャスティングどうでした?

まずキャスティングです。概ね悪く無かったのではないでしょうか。

 

主人公の蒔野は天才肌の自信家。福山雅治さんは適任だった思いますw

ヒロインの小峰洋子を演じるのは石田ゆり子さん。原作ではスマートで知的な役柄でしたが、それが少しマイルドになっているように思えました。良くも悪くも映画向きなキャスティングだと思います。

 

それ以外の役についても、強い違和感はなかったです。

二人の恋路を邪魔する三谷を演じた桜井ユキさんも、レコーディング会社の是永を演じた板谷由夏さんも良かったです。古谷一行さんはサル顔感が可愛くてよかったですねw

 

強いて言えば、小峰洋子の母親の役の風吹ジュンさんでしょうか。個人的には、日本エレキテル連合の中野さんにしか見えなかったです…w

 

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https://matinee-movie.jp/

 

演出どうでした?

演出も良かったです。パリやニューヨークの町並みはオシャレでしたね〜。東京の描写も、夜や雨が印象に残り、絵画的で綺麗でした。

 

そしてやはり音楽を扱った映画なので、演奏のシーンがいいですよね。そこは映画の方が分がありますね〜。

演奏シーン以外でも、BGMにクラシックギターが使われていたと記憶しているのですが、それも演出として良かった。

しかも、あのクラシックギターって福山雅治さんが演奏しているんですよね。多才で凄い…。

 

ストーリーどうでした?

ストーリーも原作に忠実。原作が好きな人はきっと楽しめます。

ただ、省略が多かったので分かりにくくなっている部分はあったかもしれません。

 

マネージャの三谷の嫉妬はちょっと突然感があったかも?

あと、蒔野と小峰洋子のキスシーンですが、ジャリーラの寝相が原因で中断します。それが「ドン!」という音でしか表現されないので、映画しか知らない人は分かりにくいような…。隣人に壁ドンされた、みたいなw

 

ただ、予告動画にもある「だから止めに来たんだ」は最高ですよね〜。

婚約者がいる洋子に対して、圧倒的自信のある人間ならではの発言w 言われたいですね〜笑

 

そして余談ですが、エプロン姿の福山雅治がたまらなく最高でした…!w

 

映画と原作の違いについて

ここからは映画と原作の違いについて。

 

洋子のスマートさはどこいった?

キャスティングの項目でも触れましたが、新聞記者である小峰洋子はとてもスマートな人間です。それでいて熱血な部分もあり、元旦那のリチャードに食って掛かります。

リチャードは経済学者なのですが、彼の仕事が結果的に低所得者層への行き過ぎた融資に繋がってしまったのです。そこを洋子は批判します。

 

そういうスマートさに(自分含め)世のバリキャリ女子は熱くなってしまうと思うのですが、映画ではバッサリカットでしたね。

 

三谷のカミングアウトが説明的だった

蒔野がスランプから脱して演奏会が決まったのをキッカケに、三谷は洋子にカミングアウトします。かつて二人の恋路を邪魔をしたのは自分だったと。

 

原作ではうっかりバレる流れでした。

「演奏会に来ないでほしい」と話す三谷の口調が、洋子にとって偽メールの文面と重なって見えたのです。そこで洋子がハッと気づく。というシーンでした。

 

そこ、すごく印象に残っていて好きだったんですけど、改変されてしまいましたね。まぁ、いいのですが。

 

洋子の父ソリッチ 全カット

洋子の父は映画監督のイェルコ・ソリッチです。原作は、ストーリー全編を通じて彼の存在感が漂っています。

そもそもソリッチの「幸福の硬貨」という映画が、蒔野と洋子の繋がりの1つだったと思います。

 

原作では終盤に洋子がソリッチと再会し、彼が妻と幼い洋子を残して失踪した理由を聞かされます。それは愛ゆえの選択だったのですよね。

 

それを受け、洋子は蒔野から聞いた「過去は未来によって変えることができる」という言葉への想いを更に強めるわけです。

 

そんな父のシーンは全カットでした。うーむ、良いシーンだったんだけどなぁ。でも映画にすると詰め込みすぎになっちゃうのかな?

 

ラストシーンが洋子ではなく蒔野視点になっている

物語のラストシーンで蒔野が演奏会に出演します。洋子は密かに観覧。

もう自分のことなんて振り返ってくれなくていい。三谷と幸せでいてほしい。でもせめて最後に蒔野の演奏が観たい。

そういう切なる想いで観覧に来るわけです。洋子視点なんですよね。

 

演奏会の最後に蒔野が映画「幸福の硬貨」より一曲披露します。それは蒔野と洋子とそしてジャリーラにとって非常に思い出深い楽曲。

それを聴いて、洋子は自分の存在に蒔野が気づいていることを確信します。読者としてはもう、一瞬でゾクッと鳥肌が立つような感動を覚えてしまうわけです。

 

でも、映画では蒔野視点でしたね。蒔野が洋子に気づく顔がバッチリ映されます。そしてカメラが観客席を舐めていき、洋子が映るという。

 

僕は洋子視点の方が良かったなぁ…w

 

原作厨として気になったのは、その4点ですかね。

 

総評: 大人な恋愛映画が観たい方は是非

さて、ここまで原作厨による映画レビューを書いてきました。やや省略・改変はあったものの、映画としてはスッキリとまとまっていたと思います。

 

原作を読んだ方にもそうでない方にも、大人な恋愛映画を観たい方にはおすすめの映画です。音楽と風景に癒やされる映画でもありますね〜。

 

ただ、原作にも良さがあるので、是非読んでみることをオススメします! 

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原作厨の映画レビューシリーズ 

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【映画】原作厨が「蜜蜂と遠雷」を観てきた感想【ネタバレあり】

 

どうも、ゲイブロガーのchuck (@chuck_blogger) です。

 

映画「蜜蜂と遠雷」を観てきましたので、その感想です。ちなみ、公開日である10/4(金)の朝イチで観てきましたw

mitsubachi-enrai-movie.jp

 

原作は言わずとしれた恩田陸さん。本作は直木賞と本屋大賞をW受賞し、大変話題になりました。

 

個人的に、恩田陸は好きな方で、今まで8冊の著作を読みました。

 

「蜜蜂と遠雷」は特に好きな方で、映画には並々ならぬ期待を持っていました。
どうか、原作の世界観の良さを活かしてほしい…!

 

そんな読書家であり、原作厨wでもある僕が映画も観てきたのでレビューを書きます。

 

※原作を読んだのは2年前なので、一部記憶が間違っている箇所があるかもしれません。その場合は、コメント等で指摘していただけると幸いです。

 

 

予告


映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

 

あらすじ

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。「ここを制した者は世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり近年、覇者である新たな才能の出現は音楽界の事件となっていた。

養蜂家の父とともに各地を転々とし自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇しCDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンでコンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される名門ジュリアード音楽院のマサル・C・レヴィ=アナトール19歳。彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる競争という名の自らとの闘い。

第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き優勝するのは誰なのか?

 

キャストについて

まず何より、キャストについて。正直に言うと、満足と不満は半々くらいですかね…w

 

栄伝亜夜: 松岡茉優

一番好きなキャラである栄伝亜夜は松岡茉優さんが演じました。

個人的に松岡茉優は好きな女優です。無垢なところもありつつ、トラウマを抱えるピアニストでもある。そんな栄伝亜夜の役柄によくマッチしていたと思います。

 

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール: 森崎ウィン

次に、マサル。彼もまたコンプレックスを抱いたキャラであります。ハーフとして周りに馴染めなかった過去を持っていたはずですが、映画ではバッサリとカットでしたね…。
また、原作の印象では、もっとゴツい人物を想像していたのですが、演じたのは森崎ウィン。なんかイメージと違う…。それでもこれはこれで良いかも的な良さがありました。

栄伝亜夜とマサルが二人でレストランでカデンツァについて語り合うシーンがとっても微笑ましくて良かったです。

 

風間塵: 鈴鹿央士

次に、風間塵。天才音楽家がコンクールに送り込んだ、天才少年ピアニスト。

キャスティングは最高!こんなにイメージにピッタリの子、どこから見つけてきたの?と言いたくなるくらい。恩田陸さんが書く無垢な少年を、具現化させたかのような役者さん。


しかし、原作ではもっと抜身のナイフのような冴えた音楽を奏でる印象だったのですが、映画ではマイルドになってましたね…。

 

高島明石: 松坂桃李

ちょっとミスマッチだと感じたのが、高島明石のキャスティング…。

コンテスト参加者のうち、高島明石はちょっと異質なのです。音楽を専門に学んでいるわけではなく、プロのピアニストになりたくてギラギラしているわけではなく、あくまで一般の生活者として音楽を演奏するのです。

妻帯者であり、子どももいる。上述のピアニストたちと対比的に描かれるはずなのですが…。

松坂桃李があまりにも若々しく見えて、高島としての良さが出ていなかった…。声と雰囲気は良かったのですが、無理に苦労人を装っている感じがしてw、ちょっと浮いていた気がします。

 

仁科雅美: ブルゾンちえみ

コンテストの撮影者である仁科を演じるのはなんと!ブルゾンちえみ。自然だけどそれでいてキャラが立っていて、悪くなかったと思います。

 

コンクールのクローク役: 片桐はいり

コンクール会場の受付スタッフとして片桐はいりが登場します。(これ、原作とは全く関係ないよね?

この役、本当に要らなかった…w 片桐はいりは好きですが、その分の時間をもっと他のことに使ってほしかった…。

 

好きなシーン

キャスティングには不平不満を言ってしまいましたがw、ここからは好きだったシーンについて。

 

演奏シーン

まず何より、音楽をそのまま楽しめるのは映画の良さですよね。

原作の演奏パートについては、賛否両方の意見があります。好意的な意見としては「音楽を見事に表現している」。好意的ではない意見として「ワンパターンで退屈」。

たしかに、音楽を文章で書くのは非常に難しくて、人を選ぶのも無理ないと思います。

 

しかし映画では映像と音で楽しめます。ありのままの音楽を味わえるのは映画の良さだなぁと再確認

特に本選はどの演奏も堪らなかったです。栄伝亜夜もマサルも風間塵も、それぞれの個性がフルに発揮されているようで、非常に良かったです。

 

デュオ

高島の演奏を聴いた栄伝亜夜は、居ても立っても居られなくなり、ピアノを弾きに行きます。

それにこっそりついてきた風間塵(かわいい)。二人は月光のもとで人知れずデュオ演奏をするのですが、それがなんとも良かったです。

松岡茉優と鈴鹿央士の楽しそうにピアノを弾く演技が堪らんです…。

 

そして、本選を前にして、スランプに陥るマサル。

そこに颯爽と現れてデュオを申し出る栄伝亜夜がまた良かった。デュオを通して、マサルはスランプを脱却します。


風間塵が高島に触発された栄伝亜夜に音楽を伝えて、それがまたマサルに伝播して、コンテスト全体が盛り上がるという構図ですね。

まさしく風間塵は"ギフト"であったわけですが、その響き合いであるデュオのシーンはとても良かったです。

 

栄伝亜夜のトラウマ克服

かつて天才少女と呼ばれた栄伝亜夜は、母親を亡くしたのを契機にピアノが弾けなくなってしまいます。

そのトラウマが克服されていく過程が良かったです。

 

予選で栄伝亜夜が演奏する時、ピアノの表面に栄伝亜夜と母親の二人が写っているあのシーン!
映画ならではの演出ですね!一番好きなシーンです。(でも、この演出は本選に使った方が良かったような…?w

 

エンドロール

地味にエンドロールも好きです。

「蜜蜂と遠雷」の中で一番好きな曲が「イスラメイ」。これ、風間塵が序盤で弾く曲なんですよね。

ピアノの世界では「超絶技巧」なんて形容されるような難しい曲で、それを風間塵が弾くというのがまた、彼の天才性を強調しているようでした。

 

映画の本編では残念ながらカットされましたが、エンドロールで流れてきて感激…!

 

イスラメイ、ハイテンポで聴き心地が最高なので是非聴いてみてください。

 

総評

さて、原作厨の視点からキャスティングや良かったシーンについて書いてきました。

総評としてはなかなか良かったのではないでしょうか。星評価するなら星4つですかね。

省かれたシーンは多かったけど、2時間の枠に収めたにしては、小綺麗にまとまっていて観やすい仕上がりとなっていました。

映画だけではなくクラシック音楽も楽しめてしまうので、そこもオススメですね。

(少しボリュームがあるけどw)もちろん原作もオススメです!

 

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