【日記】家族に会いたい

夢を見た。

 

夢の中で、自分は寝室で寝ていた。ドアが開いていて、リビングに人がいるのが見えた。その不審な人物がリビングから廊下に出たので、すかさず追いかけた。廊下から階段に上るところで追いついて、振り向いたその人は母親だった。

そのとき、ここは実家なんだと気がついた。母親がリビングでしていたことは、犬への餌やりだった。「餌をあげといてって言ったでしょ」と怒られてしまったんだけど、そのトーンがとても優しかった。

 

そこで目が覚めた。

 

母親は2019年に病気をして入院した。元々、身体が丈夫な方ではない。

実家には毎年帰るようにしていたんだけど、2020年は帰れずじまいだった。基礎疾患のある母親のもとに帰るのはリスクだと思ったから。そして、この状況はきっとコロナが落ち着くまでは続くんだろうなと思う。

 

ゲイ的には、帰省というのは必ずしも楽しいイベントではなかったりする。

そもそも、縁が切れてしまっている人もいるし。カミングアウトしていないと、どうしても難しい部分はある。バレたくないからあまり関わりたくない人。仲良くしたいけど距離感が分からない人。そもそもカミングアウトしたけど上手く行かずにそのままの状態が続いている人。

実家とゲイの関係というのは千差万別というか、色々な状況があると思う。

 

自分はと言うと、帰省は嬉しいような微妙なような…。

家族は嫌いではない。養育への恩義みたいなものはきちんと感じている、と思う。家族は僕がゲイであるということは知っている。でも、その話題を積極的に話すことはない。いわば、こっちから切り出すしかない状況。

 

 

今日の夢からは、なんだか母親の死みたいなものを連想してしまった。

親が死んだ時に自分がどんな反応をするか、そのことは誰しもが想像すると思う。僕の場合は、そのイメージは徐々に変わってきている。

昔は、ドライでいられると思っていた。深く関わることが無かったから、親が死んでもあまり悲しむことはないと思っていた。でも最近は、悲しみくらいは抱くだろうと予感がしていた。そのイメージが今日また変わって、僕はきっと泣くかもしれない。そんな気がした。

 

母親が死んでしまったら、僕は悲しいと思う。最後に会いたかったと後悔するんだと思う。

あまり親族が多い方ではないから、残された家族は父親と妹だけになる。

 

にわかに心が締め付けられるような想いがした。家族が死ぬということを、生まれてはじめてリアルに想像したような気がする。

人生のどこかの段階で、家族という存在が、いて当たり前のものから、失われていくものに変わってくるんだろうな。

 

今とても家族に会いたい気持ちでいる。まさか自分がこんな気持ちを持つ日がくるとは思わなかった。