きっと全てを理解するだろう

仕事がつまらなくなってきたという話を書いた。

 

chuck0523.hatenadiary.jp

 

定例報告を終えて、デスクに戻る。

緊急の仕事は無く、自分のペースで仕事をする。同僚とコーヒーを買いに行き、雑談をする。夕方には手持ち無沙汰になって、少しぼーっとする。

 

これでいいのか…?これが大企業の働き方…?

体裁を気にせずに書いてしまうと、つまらないなと感じる。

 

2度の転職を経て、小企業→中企業→大企業と変遷してきたけど、転職する度に暇になっていった。

やることが無いと辛い。自分の腕が鈍っていく音が聞こえるような気さえする。

 

プログラミングの仕事は楽しいし、向いていると思う。だから単純に、今いる環境に慣れてしまったという話だ。

それに、システム開発において「つまらない」というのはある意味良いことだ。システムが安定稼働していて、大規模な修繕が無いというのは理想のような話だ。

 

だけど、アクションを取ってしまった。

LinkedInで自分のステータスを「良い求人には興味ある」から「求人にはオープン」へと変更してしまった。翌日、リクルーターへのメッセージが急増した。

 

それが一昨日のこと。そして昨日、テックリード(プログラマを統括する人)から個人チャットが来た。

 

最近仕事どう? 

 

ドキッとした。なんというタイミング。

このブログを読んでいるのか…?!いや、友だちも付き合っている人も、両親も読んでいるブログだから、可能性はゼロではない…。

 

まあ、楽しくやっていますよ 

 

無難な返事をする。

それから、キャリアパスについての話になった。僕がチームの中でどういうポジションになっていきたいのかということ。

彼は僕が「新しい言語を触ってみたい」とか「イケてるツールを使ってみたい」と思っていたらしい。うん、確かに少し前まではそうだった。面接でもそんな話をしたかもしれない。

駆け出しのプログラマだった頃は、新しいものにとにかく飛びついていたっけ。それがクールな開発者だと思っていた。

 

でも、今は志向が変わってきた。今いる部署は比較的大きい。社長直下のプロジェクトを担当している。扱っているデータも大きいし、対応するべき問題も多い。

僕はそれが楽しい。使っている言語やフレームワークに関わらず、実際のシステム開発で起きる問題への対処を学びたい。

 

大量のトラフィックをどう捌くのか。大容量のデータファイルをどう扱うのか。予期せぬエラーをどのように捕捉して、我々開発者に通知するのか…等々。

 

そういった旨のことを伝えた。

フィリピンでコンピューターサイエンスの学位を取り、開発者としての歴が長い彼は少し関心したようだった。

 

I think I get it. It's a software engineer path. The real one

Software engineering as a discipline is deep. If you fully understand what's happening inside the machine, you'll understand everything and will be able to switch to any specialization 

There are many developers but few software engineers

Fine choice btw.

(やや原文修正済み)

 

分かった。それはソフトウェアエンジニアとしてのキャリアパスだ。本物のキャリアだ。

ソフトウェア工学の分野はとても深遠で、もし君が機械の中で何が起きているのかを完全に理解したのなら、きっと全てを理解するようになるだろう。そうなれば、どんな専門分野へも転身できる。

開発者は多くいれど、ソフトウェアエンジニアは数少ない。

良い選択だね。

 

僕がLinkedInのステータスを変更したことを、彼は気づいていたのだろうか。やはり上位の開発者は、思慮深くて僕の想像を超えてくる。

 

chuck0523.hatenadiary.jp

 

ずるい。僕は簡単な人間だから、簡単に焚きつけれらてしまう。

「きっと全てを理解するようになるだろう。」って、超かっこいいじゃん。

 

僕はこっそりとLinkedInのステータスを差し戻した。