「究極の孤独を味わう」

テレフォン人生相談というラジオ番組が好きで、基本的には毎日聴いているんだけど、今日の放送はなんだか不思議な気持ちになってしまった。心にスッと入ってきたものの正体が良く分からないままなのでブログに書いてみる。

 

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相談者は53歳の無職の男性。「これからどうやって生きていったらいいか分からない」という相談内容。

相談者は何度も会社を辞めていて、「いっそ死んでしまった方が良いのではないか」という心境にまで至ってしまっている。自分に対する怒りや失望があるという相談内容は、少しだけ共感してしまう。

 

ここからはマドモアゼル・愛先生との対話を引用。

先生「あなたが今どんなに虚しいのかは、自殺したいくほどなんだから、よくわかりました。ただ、あなたがまだやっていない一つのことがあるんです。それはなんだと思いますか?」

 

先生「虚しさを徹底的に味わったことってありますか?」

相談者「…。」

先生「無いと思うよ。あれば自殺したいなんて言い出さないから。不幸のどん底に、不幸を徹底的に味わった人は、もう不幸だかなんだかわからなくなる。」

 

先生「あなたが世界の誰からも認められない。誰からも愛されない。誰からも覚えてもらえない。この究極の孤独を一回味わってみてみなさいよ。」

相談者「どうすれば?」

先生「味わうのよ。その通り。言葉にも出さず。でも、その苦しい思いの何か、その言語にもならない押し寄せてくる感覚ってあるじゃない。それを味わうのよ。毎晩。来る度に味わってみる。これをやっていない」

 

先生「しかし、全てに救いの仕組みがある。それが自分の人生、定められた人生だとしたら、それを味わって確認するしか無い。徹底的に、誰からも認められないで、何一つ喜びがない人生というのが世の中にはあって、それがたまたま俺が得たもので、俺にしか味わえないものとして味わった時、人生に何の上下も高低もないことを、人は分かるようになっている。」 

 

相談者「でも、確かに人の一生に勝ち負けは無いとは思っています。」

先生「勝ち負けも上下もない。ただ、自分の人生のテーマを味わえなかった人は敗北者です。」 

 

マドモアゼル愛先生の力のある語り口調に、何故か分からないけど泣きそうになってしまった。

人生を味わう。なんて大切なことなんだろう。そんなこと、ずっと知らずに生きてきてしまった。忘れたくない。でも、あまりに抽象的で、大きな話で、どう抱えて良いのか分からずに持て余してしまっている。