Only you can free yourself.

ちょっとマジメなゲイが書くブログ

上位の開発者

仕事の話。

 

今朝出社するとマネジャーが神妙な顔つきでやってきた。我々4人のフロントエンドエンジニアを招集して、緊急タスクを発表した。

端的に言うと、新しいアプリケーション環境を用意してほしいというもの。

 

誰かがゴクリと喉を鳴らした音がした。あるいは僕だったかも知れない。これは月曜から大変なことになった…。

 

大規模アプリケーションの対応はキャリアの最も長いTさんに決定。文句なしの満場一致。そして中規模アプリケーションの対応は…僕になった。キャリアが2番目に長いし、入社時期が一番古いし、アプリケーションの下回りまで理解しているからということで。

アプリケーション同士の連携について確認し合いつつ、コードを見返す。1年前の自分のコードを読み返して「ここはもっとこうすれば良かった…」という後悔の荒波に飲まれつつ、今回のタスクの道筋を立てていく。

 

なんだかんだ大きな仕事を任されるのは嬉しい。仕事の良いところは、役割を任されて世の中への所属感がお手軽に得られるところだ。と何かの本で読んだ気がする。まさにその通り。

実際に手を動かし始めるとアドレナリンが出てくる。「月曜だし7割くらいの力で頑張るか〜」というゆるふわな気持ちはどこへやら、12割の力が湧いてくる。

とは言え、リリースを急いでバグを出してしまったら元も子もないので、テストを回しつつ。( = 既存のコードが悪さをしないことを自動で確認しつつ)

 

最も気持ちがノッてきた所で、同僚から質問が飛んできた。

頭の中で積み上がりつつあった積み木が吹き飛んだ。まあお互い様だから仕方ないんだけど。

 

コードの箇所と簡単な背景説明をチャットで投げた。我ながら何という塩対応…。余裕があればもっと丁寧な説明ができたかもしれない。

 

Tさんはと言うと、早くも対応の終局を迎えようとしていた。この人怪物か…??!なんでそんなに早くコードを読めるのか、書けるのか。彼女の仕事の速さにはいつも驚かされる。

やはり百度(中国のGoogle)と微博(中国のTwitter)の死線をくぐって来た人は、経験も能力も格段に違う…!

 

そして何より!

別の同僚がTさんにフランクに質問に来た。隣の席だからついチラ見してしまう。(仕事に集中してない)

Tさん、ニコニコと笑いながら対応している。懇切丁寧!なんという神対応。これが企業が欲しがる人材…。

 

そして自分のディスプレイに目を戻すと、いつの間にやら彼女のタスクが完了していたことを知る。えっ、いつの間に?

 

それからやや遅れて僕も対応を完了した。

コードの修正分を公開する。多くのIT企業と同じく、僕らのチームでは基本的にコードは相互確認しなければいけない。承認が揃ったところでリリース。

コードを公開する時はつまり、自分の能力が露呈する瞬間でもある。人の書いたコードからは知識や経験がどうしても感じられてしまうことが多々ある。癖や好みがあるにせよ。プログラミングにはベストプラクティスというものがあって、それは日本語で言うと定石という言葉になるのかもしれないけど、定石を踏んでいないコードには往々にして指定が来る。

Tさんからさっそくフィードバックが来た。指摘箇所は、まさしく悩みポイントだったところ。その箇所について至極シンプルでベターな提案をコメントしてくれていた。

例えて言うなら、コーンフレークを箸で食べていたらスプーンを差し出されたような気分。スプーンの存在なんて全く知らなくて、もっと効率の良い食べ方があるんだろうな〜と感じつつ、でも電車に乗り遅れちゃうからひとまず今手元にある箸で食べよう…と思っていたら、「このスプーンをお使いなさい…」と天啓を受けたような気持ち(例えが下手)。

Tさんからの指摘も改善策もまさしくそのパターンだった。それそれ!まさしくそれが欲しかったんです!(感涙)と。

圧倒的な謝意を述べて、即座に修正を行った。

 

結局、新しいアプリケーション環境の作成はなんとか今日中に終えることができた。

「任天堂スイッチの新しいソフトを買ったから楽しみ♪」とウキウキで帰宅するTさんと、ヘトヘトでしばらくデスクにへばりついていた僕。

 

格の違いとはこのこと。能力や経験では決して埋まることのない、圧倒的な彼我の差に打ちひしがれた。

 

そんな感じで、月曜から上位の開発者に骨抜きにされて生還しました。