僕にはメンターがいない。とずっと思っていた。
でも、よくよく考えたら一人だけいた。今日はそんなお話。
そしてやっぱり転職の話。
20歳の頃、僕は英会話のAEONに通っていた。結果から言うと、あまり喋れるようにはならなかった。
というより、実際にイベントに行ったり友だちを作った方がよっぽど上達する。まあ、そこは人それぞれだ。
そんなAEONに行っていたのは、ある人が目的だった。
彼女は(当時)29歳で、受付の事務をしていた。仮にMさんとする。Mさんは事務とは言え、英語がペラペラだった。高校の頃にカナダに留学に行っていたらしい。
Mさんにはよく進路相談的なことをしていた。当時はたいして夢も能力もなかったんだけど、だからこそ話を聴いて欲しかった。僕が「あれもやりたいこれもやりたい」と話すとMさんはいつも「やりなよ!」と笑顔で言ってくれた。(適当にあしらわれていた可能性もあるけどw)
いきなり重い話で申し訳ないんだけど、僕は当時大学に行ってなかった。1年間ほど大学から離れていた。
そんなこともあって、その進路相談の時間はとても貴重な時間だった。まあ、大学に行ってないことはなんとなくバレていた気がする。
ある時僕は「留学をしたい!」と言い始めた。もちろんお金もなく具体的な計画もない。単なる現実逃避だったと思う。
いつも「やりなよ!」と言ってくれたMさんが、その日はハッキリと「ダメ!」と言った。この人だけは肯定してくれると思っていただけに、僕は衝撃を受けた。
カウンセリングルームに連れて行かれて、2,3時間説教された。
それから僕は大学にまた行き始めた。
ゲイであることや、勉強ばっかりしてきたことが足を引っ張って、なかなか人とうまく喋れなかった。だから人が怖いし、大学も怖かった。それでも、なんとか行き始めた。
タバコもやめたし、不安定だった派遣のバイトもやめた。
そしてある日、AEONでいつもどおりMさんと話していると「AEONを辞めようと思ってる」と言われた。結末から言うと、彼女はオーストラリアに言った。向こうの会社に就職したらしい。
そのときのMさんの話が忘れられない。たぶん一生覚えてるんだと思う。「もう29歳だよ。これが最後のチャンス」と笑いながら言っていた。
最後のチャンス。当時の僕には全く意味が分からなかった。29歳という年齢に、全く実感を持てなかった。
あの日、Mさんはスティーブ・ジョブズのあの有名なスピーチを教えてくれた。
その中で印象に残ってる言葉がある。
「もし今日が人生最後の日だとしたら、これから始まるこの一日を本当に過ごしたいと思うだろうか。もしもこの問いに対してNOが続くようなら、生き方を変えた方がいい」
僕は今転職がしたい。今の会社は決して悪い会社ではない、けれどいい会社でもない(ついに言っちゃった)
特に先週のことがあってからは、毎日自分への問いかけが止まらない。そして確実に「嫌だ!」という悲鳴が聞こえている。
24歳。まだまだ若い。けど、2,3年もしたら第二新卒ではなくなる。言葉なんてどうでも良くて、要は即戦力として見られる。僕がいま転職サイトでちやほやされてるような、「ポテンシャル採用」の恩恵が途絶える時がくる。
のんびりと今の会社でやっていたら確実に詰む。し、やりたいことが実現できない。
怖いけど、やるしかない。
Mさんもこんなことを考えていたんだろうかと、最近考えるようになった。あの人は何を考えて、どんな未来を見ていたんだろう。いまさらになって、そんなことを考えるようになってきた。今こそ会いたい。会ってまた話がしたい。
そして、気づいた。Mさんは僕のメンターなのだと。連絡先も交換していないので(僕のバカ!!!・゚・(つД`)・゚・ )、今どこで何をしているのか全くわからない。
けれど、どこかでたくましくやっているんだろうと思うし、僕も頑張らなくちゃと思える。
メンター不在だったことが、ずっとコンプレックスだった。ツイッターなんかで意識の高い人たちが「誰々さんが私のメンターです」なんて言ってるのを見て、死ぬほど羨ましかった。
でも、ようやく出会えることができた。
なんとなく過ごしてしまう毎日だけど、僕らは確実に死んでいく。自分の人生を変えることができるのは自分だけだ。
自分の心に素直に生きよう。